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花巻温泉バラ園全景(春・夏)、オリジナル品種、バラ園入り口、松雲閣、葵亥庵、噴水周辺、日時計花壇(宮沢賢治設計)、「花巻温泉南斜歌壇跡」石標と「冗語」碑、小佐野賢治翁胸像、大野林火歌碑、九條武子歌碑

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花巻温泉バラ園全景(春・夏)▽
オリジナル品種▽
バラ園入り口▽
松雲閣▽
葵亥庵▽
噴水周辺▽

「花巻温泉南斜歌壇跡」石標と「冗語」碑▽
小佐野賢治翁胸像▽
「大野林火」詩碑▽
「九條武子」詩碑▽
日時計花壇(宮沢賢治設計)▽

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花巻温泉内のホテル・旅館の予約
花巻温泉の周辺にある碑・蔵など
遊歩道コース(釜淵公園)にある滝・橋
建立されている多数の詩碑・歌碑を散策する碑めぐりコース
約1,000本の桜が並ぶ花巻温泉のさくらの写真

金矢温泉「ホテル銀河パークはなまき」
花巻新湯本温泉「美翠館」


花巻温泉バラ園全景(春・夏) 
地図/YahooMaps

バラ園

 花巻温泉郷の北側斜面にあるバラ園です。南斜面の南部赤松を背景に気候風土環境に適応した東北随一のバラ園で6月中句〜10月下句まで随時バラの花を観賞することができ全国的にめすらしい花壇です。バラが最も美しく咲きほこる6月上旬から7月上旬には、バラまつりが開催され、さまざまなイベントで賑わいます。

 花巻温泉バラ園は、宮沢賢治が設計したかつての南斜花壇などがあった跡地に、昭和33年に開設されました。また、園内にある日時計花壇も賢治が設計したもので、紅葉館前にあったものを現在のバラ園に移したものです。花壇について賢治が詠った詩「冗語」の碑もあります。
 広さ約5000坪の敷地に450種、6000株をこえる色彩ゆたかなバラの花と季節の花々が咲き競うバラ園は、シーズンを通して彩りと香りの楽園です。美しい花を観賞いただけるよう毎日の手入れや品種改良などの研究、また苗木の販売や園芸相談も行っています。

バラ園のご案内

面積15500u(4696坪)株数6000株、品種450種
入園料(中学生以上)
5月中旬〜5月下旬:500円
5月下旬〜7月上旬(バラまつり期間):800円
7月上旬〜11月上旬:500円
上記以外の期間:入園無料
小学生以下:入園無料BR>
<宿泊者割引>
バラまつり期間:800円→600円
7月上旬〜11月上旬:500円→400円
※割引券はフロントで発行いたします。

第1回バラ開花見頃期6月中旬〜7月上旬
第2回バラ開花見頃期6月中旬〜8月中旬
第3回バラ開花見頃期9月中旬〜10月上旬
開園時間:午前6時〜午後7時(6月中旬〜10月中旬)
 ※10月中旬以降は午後6時で終了

オールド・ローズとつるバラ図鑑674
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噴水周辺

春のバラ園

 春には桜並木を眼下に春の花を楽しめます。



オリジナル品種

ホット花巻

 ホット花巻。当バラ園で品種改良され、新品種として認定されたもの。(以下、同様)

ホット羽山

 ホット羽山。

ホットスプリングス

 ホットスプリングス。


バラ園入り口 バラ園入り口

 バラ園入り口で出口も兼ねています。園全体の装飾はその年ごとに異なります。


松雲閣 
地図/YahooMaps 松雲閣

 花巻温泉の中でも高級旅館として位置づけられ、大正13年にできた松雲閣(しょううんかく)です。現在は閉鎖中。


葵亥庵 
地図/YahooMaps 葵亥庵

 バラ園内にある御茶屋です。開園期間のみ運営。


噴水周辺 噴水周辺

 園内の中央部にある噴水の周辺は人々の休息の場になっています。夏は清涼感をもたらします。


日時計花壇(宮沢賢治設計) 日時計花壇(宮沢賢治設計)

 昭和2年(1927)当初、紅葉館(現在ホテル紅葉館)の前庭に設けられていましたが、花巻温泉再開発計画にもとづき昭和51年(1976)に、現在地に移設したものです。
 宮沢賢治と花の関係は
宮沢賢治花の図誌で知ることができます。

宮沢賢治の花壇設計

南斜花壇設計図、日時計花壇設計図  宮沢賢治の花壇設計は多く、南斜花壇、日時計花壇(下画像)のほか、涙ぐむ目、シンメトリアル・ガーデン、ボタンバラをまん中に4本のリンゴの木をもつ花壇など、「メモ・フローラ」には、ファンタスティックな饗宴が描かれています。
 昭和2年4月、教え子にあてた南斜花壇設計の手紙には、設計、所要種苗の数量、価格、取り寄せ先までていねいに書いています。
 賢治にとって、花壇設計も「よりよい世界の構築」のひとつと考えられます。

※宮沢賢治記念館発行「ポランの広場」パンフレットより引用(画像共)
「涙ぐむ目」花壇設計図



「花巻温泉南斜歌壇跡」石標と「冗語」碑 「花巻温泉南斜歌壇跡」石標と「冗語」碑

 花巻温泉は大正12年8月、台温泉から引湯して開業した新温泉で、賢治が花壇設計した昭和2年には街並みは大凡完成していたが、もともと荒地や雑穀畑を開拓した新開地であり、緑化が急がれていた。冬季には、日本初の夜間照明付きスキー場として賑わった。

詩ノート「こぶしの咲き」作品1055番

こぶしの咲き
これぎれに雲のとぶ
この巨きななまこ山のてに
紅い一つの擦り傷がある
それがわたくしも花壇をつくってゐる
花巻温泉の遊園地なのだ



富手一氏に宛てた手紙

 宮沢賢治から詳細な所要苗表とともに当時の花巻温泉遊園地の造園主任であった富手一氏に宛てた手紙の冒頭部分が掲示されています。

 昭和2年(1927)賢治は花巻農学校の教え子で、その頃遊園地の造園主任となっていた冨手一に頼まれ花壇の設計や庭造りの指導をしました。当時は花巻駅から温泉まで電車があり、毎日のように電車で通い熱心に花壇造りをしました。ある雨の日に変な服装だったので警官に怪しまれ調べられたこともありました。いま南斜花壇はバラ園に変わり、紅葉館前の日時計花壇は園に移されました。もとの南斜花壇の中心部に詩「冗語」の碑が建ちました。強化ガラスの珍しい詩碑です。
 また、宮沢賢治は大正13年、見事な客土法によって花巻温泉に 桜とイチョウ並木を残しています。

冗語

また降ってくる
コキヤやケール羽衣甘藍、
植えるのはあとだ
堆肥を埋めてしまってくれ

啼いてる啼いてる
水禽園で、
頭の上に雲の来るのが嬉しいらしい
孔雀もまじって鳴いてゐる
北緯三十九度六月十日の孔雀だな

ははは 羆熊の堆肥
かういふものをこさえたのは
恐らく日本できみ一人
どういふカンナが咲くかなあ

何だあ 雨が来るでもないぞ
羽山で降って
滝から奥へそ外れたのか
電車が着いて
イムバネスだの
ぞろぞろあるく
光の加減で
みんなずゐぶん人相がわるい

さあこんどこそいよいよくるぞ
南がまるでまっ白だ
胆沢の方の地平線が
西はんぶんを消されてゐる
おゝい堆肥をはやく、
ぬれてしまふととても始末が悪いから
栗の林がざあざあ鳴る
風だけでない
東をまはって降ってきた


ポランの広場

 現在、賢治が設計した南斜花壇と日時計花壇は、宮沢賢治記念館と宮沢賢治イーハトーブ館の間にあるポランの広場に実現されています。

小佐野賢治翁胸像 小佐野賢治翁胸像

 功績をたたえ、花巻温泉を見渡すバラ園上部に、小佐野賢治の胸像が建立されています。

彫刻家 圓鍔勝三(えんつばかつぞう)
1905〜2003広島県生/小佐野賢治翁胸像制作者

 早くから卓抜な才能を発揮し、帝展・文展・日展などに数多くの優作を発表した日本彫塑界の重鎮。
 作風は、外形よりも精神性を重んじ、自由な発想で未知の領域に挑み、現代感覚と抜群の新鮮さに力量を示している。
 圓鍔勝三の作品は【中古】[図録]圓鍔勝三作品集/圓鍔勝三/圓鍔記念館・御調町教育委員会/1993/A4判 [管理...を御覧下さい。



「大野林火」歌碑 「大野林火」歌碑

「直立に 南部赤松 遠郭公」林火
 バラ園内の一番上部にある歌碑です。バラ園は6月中旬から11月上旬まで、入場は有料。バラ園入り口の前には駐車場があります。バラ園散策には一般の履き物で大丈夫です。
 南部赤松は岩手県産のアカマツ。この周辺の山も多く生えており、特性は長大で真っすぐに伸びる。遠郭公は遠くで聞こえる郭公の声。季語は郭公で夏。昭和五一年六月来訪、敷地内やその周辺を巡り、この句を敷地に残した。

大野林火(おおのりんか)
1904(明治37)〜1982(昭和57)年/神奈川生れ/俳人

 臼田亞浪(うすだあろう)に師事し「石楠(しゃくなげ)」で活躍。のち「濱(はま)」創刊主宰。後進を育成しつつ、「俳句研究」「俳句」の編集にも従事し、俳壇に貢献した。

 大野林火の作品は俳句 (大野林火全集)を御覧下さい。



「九條武子」歌碑 「大野林火」歌碑

「まろき山みどりふかぶかと いくへかもここのいでゆの ながめすがしも」武子
  バラ園内の一番上部にある歌碑です。バラ園は6月中旬から11月上旬まで、入場は有料。バラ園入り口の前には駐車場があります。バラ園散策には一般の履き物で大丈夫です。
 昭和二年九月、盛岡での岩手仏教婦人会の大会に招かれ、その翌日来訪。湯と山々に景色が大変気に入りこの歌を残した。

九條武子(くじょうたけこ)
1887(明治20)〜1928(昭和三)年/京都生れ/歌人

 西本願寺法主大谷光尊の次女。九条良致に嫁いだが、長く独居生活を送る。短歌は佐佐木信網に師事し「心の花」で活躍。

 九條武子の作品は 九條武子新装版で御覧下さい。



参考資料:現地説明板、各施設パンフレット・HP、花巻観光パンフレット、花巻市広報、花巻温泉物語(熊谷印刷出版部発行)
※最新の情報は各施設、花巻市観光課/TEL0198-24-2111、(社)花巻観光協会/0198-22-5557へお問い合わせください。
※「宮沢賢治の花壇」は設計宮沢賢治記念館発行「ポランの広場」パンフレットより引用(画像共)。
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